科学哲学

<交絡因子という実在の怪物>

統計を学んでいると“悪魔の証明”に出てくる“悪魔”の正体が理解できるようになります。この“悪魔”については、一たびそのの正体が分かると対処法は比較的簡単です。何故なら、それは我々の心が産み出した思い込みだからです。しかし、今回紹介する“交絡因子”…

<反実仮想モデルで因果関係を検証する>

因果と言うと、哲学や仏教を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、科学においても重要なテーマです。というか、科学という作業は因果関係を明らかにしていくことに他なりません。例えば、物体は何故落下するのか?何故、液体が蒸発して気体になるのか?特…

<ヨーダの言葉>

今回は<仮説と検証>の補足をお話します。目の前に起こった事柄を観察して、因果関係を考え、それを仮説として検証するのが科学者の役めだというお話をしました。これは、目の前に起こった事柄から仮説を思いつき、検証もせずに感覚的に自分が正しいと主張…

<仮説と検証>

今回は仮説と検証について説明します。家に帰ると愛猫のミーちゃん(仮名)がゴロニャンと迎えてくれます。『よしよし、私の事を好きで待ち遠しかったんだね』と言って溺愛したりします。そこへ家内『ただ、餌をねだってるだけじゃない?』等と言われたら、…

<要素還元主義と科学の限界を自覚する>

前回、我々は物事を論理の世界で考える際には、言葉を使って、つまり抽象化して世界を見ているというお話をしました。今回は、この抽象化の過程が科学の世界でどの様に使われているかをもう少し丁寧に見ていきたいと思います。 実際にある薬を例にして説明し…

<はじめに言葉ありき>

今回と次回で、抽象化と要素還元主義について説明したいと思います。 我々は考える際、普通、言葉を使います。ここでは、その言葉の産まれる瞬間に注意を向けてみましょう。実感して貰う為に、お気に入りの写真か何かを用意してください。もし面倒であれば、…